増井淑乃 / 長井朋子 / 大宮エリー / 佐藤翠 / 山本桂輔

ART FAIR TOKYO 2017出展のお知らせ

小山登美夫ギャラリーは、3月17日[金]より東京で開催するアートフェア、ART FAIR TOKYO 2017に参加いたします。

会場:東京国際フォーラム ホールE & ロビーギャラリー

ブース:S15

会期:2017年3月17日[金]-  3月19日[日]

時間:3月17日[金]]13:00 – 20:00
3月18日[土] 11:00 – 20:00
3月19日[日] 10:30 – 17:00

HP:https://artfairtokyo.com/

出展作家:菅木志雄ヴァルダ・カイヴァーノ福井篤蜷川実花大竹利絵子杉戸洋リチャード・タトル、パウロ・モンテイロ、トム・サックス、増井淑乃長井朋子大宮エリー佐藤翠山本桂輔

 

作家プロフィール

増井淑乃

1976年静岡県焼津市生まれ。静岡県立清水南高校芸術科に進学後、学問としての芸術に関心を持ち、多摩美術大学美術学部芸術学科で東洋美術を研究。1999年卒業後、再度制作を開始。現在東京を拠点に活動を行っています。
増井の作品は繊細で細密な水彩画です。紙に水彩で下地を塗り、時間をおいてから何度も重ねて描かれる画面には、滲みによってできる偶然の効果と意図的で入念な描線によって独特のテクスチュアがつくりだされます。そこに描かれている、猫や馬、鳥などの動物たちは、幼い頃の色や匂いの記憶と共に彼女が身近な存 在として観察してきたものです。これらの動物たちは、増井の作品のなかでは背景と有機的に統一し、まるで神話のなかの動物のような象徴的な存在として描かれています。
また、生まれた土地との結びつきが断たれた経験により、しばしば浮遊感におそわれるという増井は、描く ことでもう一度土地と繋がろうとしているのではと語ります。「誰にでもわかるものを描きたい」という彼女 の美しく鮮やかな作品は、ダイレクトに観る者の心をとらえ、どこかで見、感じたことがあるような記憶の中の風景や感覚を思い起こさせるでしょう。

増井の作品は、芥川賞作家である磯崎憲一郎のデビュー作『肝心の子供』(第44回文藝賞受賞 / 2007年、河出書房新社主催)の装画となった他、世界中のキュレーター、批評家などよって推薦された 1975年以降生まれの作家を紹介した書籍「Younger Than Jesus: the Artist Directory」(Phaidon/The New Museum 出版、2009年)に、森美術館チーフ・キュレーター片岡真実氏により選出、掲載されています。小山登美夫ギャラリーでは2006年、2008年、2011年、2013年と4度の個展を行っており、2016年1月には、静岡の駿府博物館にて個展を開催しました。

1976年 静岡県焼津市生まれ
1999年 多摩美術大学美術学部芸術学科卒業

長井朋子

長井朋子の作品には、森や部屋の背景に、猫や馬などのたくさんの動物たちや、幼い少女、色とりどりの木やキノコなどが、まるで劇場のように配置されています。様々なモチーフが散りばめられた作品はどれも、世界が凝縮したような充足感と独特の空間性をもっています。長井は下描きをせず、描く対象に応じて、油彩、アクリル絵具、水彩、色鉛筆、パステルなどのふさわしい画材を選び、加えて立体作品や、インスタレーションも手がけます。それによるマチエールや素材の違い、描き込みの程度の違いはリズムとなり、ひとつの音楽を生んでいるように思えます。長井の作品には、明確な物語があるわけではありませんが、この音楽を感じる事によって、わたしたちはいつの間にか彼女の作品世界の中に入り込んでいるのです。

長井朋子は1982年愛知県生まれ。2006年に愛知県立芸術大学を卒業し、現在愛知県豊橋市を拠点に制作活動を行っています。小山登美夫ギャラリーではこれまでに4回の個展を行い、東京オペラシティーアートギャラリーコリドールなどでも個展を開催しました。「VOCA展 2010」(2010年、上野の森美術館、東京)に出展したほか、海外では、ヴェネツィア・ビエンナーレ関連企画展の「Future Pass – From Asia to the World」(2011年、Palazzo Mangilli-Valmarana、ヴェネツィア)や、ソウル、グルノーブル、ベルリンでのグループ展に参加しています。また長井は、東日本大震災の被災地である宮城県七ヶ浜の遠山保育所(設計:髙橋一平建築事務所)にて、サインやプールに絵を描くプロジェクトに携わり、この遠山保育所はシンガポール赤十字社による全額サポートのもと 2013 年 に竣工しました。作品は高橋コレクション(日本)、オルブリヒト・コレクション(ドイツ)、ザブラドウィッチ・コレクション(イギリス)、ジャピゴッツィコレクション(スイス/アメリカ)などに収蔵されています。

大宮エリー

1975年大阪生まれ、東京大学薬学部卒業。広告代理店勤務を経て、日常を綴ったエッセイ集を書いて人気を博す。作家業の傍ら、ラジオのパーソナリティーや、テレビ番組の司会などもこなす。映画を撮ったり、舞台の作演出をしたり、活動はジャンルレスであるが、本人曰く、やっていることはひとつだという。2012年からは、来場者が参加して作品が完成するという特徴を持つ、体験型の個展をはじめる。その個展は物語になっており主人公は来場者それぞれとなる。「立ちはだかるドア」「心の箱」「言えなかったメッセージボトル」など、8つの作品で構成された、「思いを伝えるということ展」(2012–13)では、心がすっきりした、涙が出たという感想が多く、この個展の反響で2013年は、「赤い道」「黄色い道」「砂漠の道」などの道を歩いてもらうことで、生きるとは何かをそれぞれがそれぞれに問いかける個展「生きているということ展」(2013)を発表。また、歩くプラネタリウムという設定で、星をかきわけたり天の川に飛び込んだりする「星空からのメッセージ展」(2013–14)を発表。絵画制作は、2012年に上野にてライブドローイングした作品「お祝いの調べ:直島」がきっかけとなって始まり、いまも続行している。その後、2015年に代官山ヒルサイドテラスにて個展「emotional journey」、2016年には美術館で始めての個展「シンシアリー・ユアーズ—親愛なるあなたの大宮エリーより」を十和田市現代美術館で開催する。十和田では、美術館の以外の商店街にも作品を展開した。2017年4月には、福井の金津創作の森で個展を開催。

佐藤翠

色とりどりの服が掛かったクローゼット、高いヒールの靴が並ぶシューズラック、鮮やかな花々。佐藤翠の絵画は、女の子の憧れが詰まった宝石箱のようです。画面を眺めていると、大胆で素早いタッチがモチーフの輪郭を溶かし、具象性と抽象性が共存しつつ鮮やかな色彩と卓抜な構成が強い魅力を放っていることに気づきます。美術史家・美術評論家の高階秀爾氏も指摘する通り、佐藤の作品は、絵画の魅力、喜びに溢れ、「ほのかな、かすかな官能性の香りがいわば隠し味のように重なって、比類ない豊麗な世界」(高階秀爾『ニッポン・アートの躍動』(講談社)を生み出しています。

佐藤翠は1984年、愛知県生まれ。2008年に名古屋芸術大学絵画科洋画コースを卒業。在学中にはディジョン国立美術大学(フランス)へ交換留学。2010年に東京造形大学大学院造形学部で修士課程を修了しました。現在は名古屋市を拠点に制作しています。作品は、芥川賞受賞作家・中村文則の小説『去年の冬、きみと別れ』(2013年、幻冬舎)の装画や、松永大司の映画『トイレのピエタ』(2015年)の劇中に使われたり、『花椿』(資生堂)では原田マハの短編小説と挿画でコラボレーションをするなど、その活躍の場を広げています。「VOCA展 2013 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」(2013年、上野の森美術館、東京)では大原美術館賞を受賞、作品は同美術館に収蔵されました。2015年には資生堂ギャラリーでのグループ展「絵画を抱きしめて Embracing for Painting -阿部 未奈子・佐藤 翠・流 麻二果展-」に出展。2016年は、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて小山登美夫ギャラリーでの3度目の個展「Secret Garden」を開催した他、「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ」にも参加いたしました。

山本桂輔

山本桂輔は彫刻と絵画の2つの表現方法を横断しながら、制作を行ってきました。2000年代までの作品では、草花やキノコ、妖精のようなモチーフが、有機的な曲線に巻き取られながら、独特の色彩の中にひとつのフォルムとして完結します。その幻想の世界感が極限まで肥大化したのが、2009年の個展「起立」で展示した高さ5mを超える巨大な彫刻でした。作品は生命力すら感じる圧倒的なボリュームと、派手な色彩で人々を魅了しました。以降山本の彫刻は少しずつ変わりはじめます。

2012年、山本は拾った古道具などに部材を加えたり、彫刻を施した作品を、個展「Brown Sculptures」で発表しました。それまで色に対する憧れ、絵画への憧れが強かった彼が、この展示では、比較的小さな木彫だけを展示し、しかも木工用の茶系の着色剤を使って、色を廃しました。かつて別の用途で使われていた道具をなにかに見立てる、あるいは擬人化することは、日本人にとって馴染み深く、ある種のフォークな感覚は山本の新たな展開を感じさせます。作家は自身の作品について、「人間の創作の歴史や衝動に興味があります。それらを意識しながら、彫刻と絵画は相互に関係を持ち、生成されていきます。」と語っています。

彼の制作を語る上で、彫刻との両輪として欠かすことのできない絵画。松井みどり氏は、山本の絵画について「幾何学形と植物のイメー ジを組み合わせることで、装飾的なデザインと象徴的な連想を統合する」と評しています。

山本桂輔は1979年、東京生まれ。2001年に東京造形大学彫刻科を卒業後、同大学研究生として 2003 年まで在籍。現在、神奈川を拠点に制作活動を行っています。小山登美夫ギャラリーでは、6 度の個展を行っており、主なグループ展に「、VOCA 展 2008」(2008 年、上野の森美術館、東京 )、松井みどりキュレーションによる「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」(2009 年、原美術館、以降世界巡回)、「Twist and Shout: Contemporary Art from Japan」(2009年、バンコク芸術文化センター、バンコク)、「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」(2014年国立国際美術館、大阪)などがあります。作品は国立国際美術館などに収蔵されています。