風能奈々

個展「誰がその物語を知る」

花の瘡蓋 / Scab on Flower, acrylic, dye, gesso on canvas, 162 x 388cm, 2008 ©Nana Funo

【作品紹介】

風能奈々は、優美で感性的なモチーフを独特のマチエールで豊かに紡ぎあげます。今年のVOCA展に出展された、アクリル絵具、染料のペン、ジェッソ、再びアクリルの順に重ね塗りする「花の瘡蓋(かさぶた)」は、静謐さをたたえながらも、重層的で多様な質感からたちあらわれる浮遊感を感じさせます。
風能が幼少の頃耽溺していたという想像や物語の世界は、タブローの上に再来します。ときに悪夢、ときに個人的な家族との物語が、彼女の卓越した素描によって描かれます。同様にイメージの源泉となっているのが、毎日欠かさずに描いているというドローイング・ノートです。日常生活でわき起こる感情の波や心に残ったフレーズなども残すという、日記の要素ももつこのノート。不穏な感じすら抱かせるほどびっしりと描かれたドローイングはそれ自体圧巻ですが、タブローでの魅惑的な発展を暗示するエネルギーをもっています。

【展覧会について】

本展では、今年3月に開催されたVOCA展(上野の森美術館)に出展した、横3メートル88センチの「花の瘡蓋(かさぶた)」、特別に注文して制作した円形のキャンバスを使った作品など、新作のペインティング約8点を展示いたします。
TKGエディションズ 京都での同時開催展では、側面にも描き込まれた20 x 20cmのペインティングを展示します。花、木、神話などのモチーフ、小さな物語の挿絵、そして行ったことも見たこともない場所を描いた旅行シリーズ。染料、アクリル、油彩など技法も異なる多彩なイメージが、展示スペースを埋めつくします。

作家プロフィール

風能奈々

風能奈々は1983年静岡県生まれ。2006年大阪芸術大学芸術学部美術学科油画コースを卒業後、2008年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了。現在京都で制作を行っています。小山登美夫ギャラリーでは2009年、2012年、2014年(同年にシンガポールと渋谷ヒカリエの2回)と4回の個展を行っており、主なグループ展として「VOCA展 2009」(2009年、上野の森美術館)、「絵画の在りか」(2014年、東京オペラシティ アートギャラリー)があります。作品はジャピゴッツィコレクション(スイス/アメリカ)、高橋コレクション、高松市美術館、モンブラン GBU ジャパンに収蔵されています。

1983年 静岡生まれ
2006年 大阪芸術大学芸術学部美術学科油画コース卒業
2008年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了