福居伸宏

個展「アステリズム」

Asterism (plexus) – 2848, 2010 pigment print mounted on plexiglass 96.0 x 144.0cm © Nobuhiro Fukui

【作品紹介】

福居伸宏は、2004年から真夜中の都市の風景をモチーフに写真制作を続けています。その都市の表情は、鑑賞者に既視感を覚えさせるどこかありふれたものでありながら、同時にまったく独特の存在感を放っています。
物の見方は、見る条件によって異なるものです。例えば、恒星の明るさを分類する等級は地球から見える明るさを基準にしているため、地球以外のところから見れば同じ星であっても異なる明るさに見えます。福居の作品も、こうした星々の輝きと同じように、特定の見方や基準によって限定されることはなく、様々な解釈を可能にするものです。
作品・それを見る人・作品に介在するカメラの関係性は不動のものではなく、作品を見る人の視点・視野・視座などによって、そこに写し取られた風景の捉え方は多様で自由なものとなります。

【展覧会について】

展覧会タイトルの「アステリズム」とは「星群」を意味する言葉です。既に古くから定められている88星座(コンステレーション)とは違った視点で見出された星々のかたちです。作家が3年余りをかけて構想した20数点の写真作品が展示される本展にて、福居のさらなる挑戦をぜひご高覧ください。

作家プロフィール

福居伸宏

福居伸宏は1972年徳島県鳴門市生まれ。2004年から1年間、写真家金村修のワークショップに参加し、同年より真夜中の都市の風景をモチーフに写真制作を続けています。2006年にベルリンのJoachim Galleryで個展「There There」を開催し、2008年には、Paris PhotoにおいてBMW Paris Photo Prizeの審査員特別賞を受賞。また2009年に行われたフランス大使館旧館での「NO MAN’S LAND」、2010年の「『DOUBLE VISION』映像におけるフィクション/リアリティ」(トーキョーワンダーサイト渋谷)に出展し、2013年にはスイス、バーゼルのParzelle403で個展「B’」を開催しました。小山登美夫ギャラリーでは2008年、2010年、2011年と3度の個展を行っています。

「写真をある種のウイルスだと位置づけている」と語る福居は、「メディアから大量供給される写真・映像・情報などによって制度化された視覚からの逸脱」を、写真を使うことによって追究するとともに、「見る」ということをより豊かに、そしてより自由にするような作品に取り組み続けています。

1972 徳島県鳴門市生まれ
2004-2005 金村修ワークショップ参加