藤田匠平 / 風能奈々 / 廣瀬智央 / 柏原由佳 / 小出ナオキ / 増井淑乃 / 長井朋子 / 岡崎裕子 / 大宮エリー / 佐藤翠 / 山本桂輔 / 山野千里 / 横山拓也

グループ展「小山登美夫ギャラリーコレクション展 2」

ダミアン・ハースト Gly-Gly-Ala 2016 108.0 x 86.5 cm woodcut print on paper ©︎Damien Hirst

小山登美夫ギャラリーでは1996年のオープン以来、国境やジャンルにとらわれず、巨匠から若手まで様々なアート作品を日本に紹介してきました。本展では、それらのコレクションの中から選りすぐりの作品を展示致します。アートの世界に踏み入れる一歩として、また、より多角的にアートを鑑賞する場として、この機会にぜひご高覧ください。
出展作家:大宮エリー、岡崎裕子、岡本太郎、柏原由佳小出ナオキ佐藤翠、スナ・フジタ、リチャード・タトル長井朋子、ダミアン・ハースト、廣瀬智央風能奈々藤田匠平増井淑乃山野千里山本桂輔横山拓也、デヴィッド・リンチ

作家プロフィール

藤田匠平

藤田匠平は1968年和歌山県生まれ。1995年に京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器を修了後、渡英。エディンバラ・カレッジ・オブ・アートにてガラス工芸を学び、1997年に同校を修了しました。陶芸家の山野千里と、スナ・フジタのユニット名での制作も行なっています。東京、京都、大阪、三重など各地で個展を多数開催。小山登美夫ギャラリーでは2度の個展を開催しています。

風能奈々

風能奈々は1983年静岡県生まれ。2006年大阪芸術大学芸術学部美術学科油画コースを卒業後、2008年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了。現在京都で制作を行っています。小山登美夫ギャラリーでは2009年、2012年、2014年(同年にシンガポールと渋谷ヒカリエの2回)と4回の個展を行っており、主なグループ展として「VOCA展 2009」(2009年、上野の森美術館)、「絵画の在りか」(2014年、東京オペラシティ アートギャラリー)があります。作品はジャピゴッツィコレクション(スイス/アメリカ)、高橋コレクション、高松市美術館、モンブラン GBU ジャパンに収蔵されています。

1983年 静岡生まれ
2006年 大阪芸術大学芸術学部美術学科油画コース卒業
2008年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了

廣瀬智央

廣瀬智央は1963年東京都生まれ。1989年多摩美術大学卒業後、1991-92年イタリア政府給費奨学生として渡伊。1996-97年ポーラ美術振興財団在外研修員としてイタリアにて研修、1997年ミラノ・ブレラ美術アカデミーを修了し、2008-09年には文化庁芸術家在外研修員としてニューヨークに滞在。現在はミラノと東京を拠点に活動しています。
主な個展に「レモンプロジェクト 03」(ザ・ギンザアートスペース、東京、1997年)、「Paradiso- Criterium 34」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城、1998年)、「2001」(広島市現代美術館、2000年)、近年では「Heteronym」(ウンベルト・ディ・マリーノ・ギャラリー、ナポリ、イタリア、2015年)、「Flâneur」(モリーゼ州文化財団, カンポバッソ, イタリア、2016年)などがあります。
その他グループ展として「Neo Tokyo」(シドニー現代美術館、オーストラリア、2001年)、「別府現代芸術フェスティバル2012『混浴温泉世界』」(別府市内各所、大分、2012年)、アーツ前橋のコミッションワーク「遠い空、近い空:空のプロジェクト」(アーツ前橋、群馬、2013年)など、世界各国で多くの展覧会に参加しています。小山登美夫ギャラリーでは6度の個展を行っており、2017年7月には創薬開発を推進するペプチドリーム新社屋内にアートワークを制作するなど、企業とのコラボレーションによるコミッションワークも多く手がけています。

廣瀬は長年の異文化での体験を推敲し、日常的な素材を用いて視覚化した、透明感と浮遊感を伴う作品を制作しています。インスタレーション、パフォ-マンス、彫刻、写真、ドローイングなど様々なメディアによって、現実と記憶の世界が交差する世界観を生み出しています。

1963年 東京都生まれ
1989年 多摩美術大学卒業
1991-92年 イタリア政府給費奨学生として渡伊
1997年 イタリア、ミラノ・ブレラ美術アカデミー修了

柏原由佳

柏原由佳は1980年広島県生まれ。2006年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、渡独。2012年にはVOCA展に出展、佳作賞と大原美術館賞を受賞しています。ライプツィヒ視覚芸術アカデミーを2013年に卒業し、2015年同アカデミーマイスターシューラーを取得(Annette Schröter教授に師事)。主な個展に、「借景」(バウハウス・デッサウ財団研究員Torsten Blumeによるキュレーション、バウハウス・デッサウ、ドイツ、2008年)、「最初の島 再後の山」(大原美術館、岡山、2016年)などがあります。小山登美夫ギャラリーでは2011年、2012年、2013年、2016年と4度の個展を行っています。

1980年 広島県生まれ
2006年 武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業
2012年 平成24年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツにて研修(-2013年)
2013年 ライプツィヒ視覚芸術アカデミー卒業
2015年 マイスターシューラー取得(Annette Schröter教授に師事)、ライプツィヒ視覚芸術アカデミー

現在、ドイツを拠点に制作活動

小出ナオキ

小出ナオキは1968年、愛知県生まれ。1992年に東京造形大学造形学部美術学科を卒業。現在は千葉県を拠点に制作活動を行っています。
2003年、岡田聡氏キュレーションによるグループ展「マジック・ルーム」(Project Room / 小山登美夫ギャラリー)に出展後、小山登美夫ギャラリーでは5度の個展を行っています。
その他の主な展覧会に、「カフェ・イン・水戸」(2004年、水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城)、「マジカル・アート・ライフ」(2006年、トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)、「Fiction@Love」(2006年、MOCA Shanghai、上海、中国)、「neoneo Part1 [BOY]」(2009年、高橋コレクション日比谷、東京)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」(2009年、新潟)「Paul Clay」(2011年、Salon 94 Bowery、ニューヨーク)「高橋コレクション展 マインドフルネス!」(2013年、鹿児島県霧島アートの森、姶良郡、鹿児島 [ 札幌芸術の森美術館、札幌、北海道 へ巡回 ])などがあります。

小出ナオキは主にFRP(合成樹脂)、セラミック、木などを用い、愛らしくもどこか不気味で不思議な立体作品で、雲のお化けやドクロなど、異界のものたちや、自身とその家族を作品化してきました。小出の作品について、美術評論家の森口まどか氏は次のように書いています。

「日常や自己の内なるところから着想する在り方は、小出にかぎらず、今日のアートシーンにあっては定跡といっても良いほどだと思うが、その場合、微温的な暮らしをそのままかたちにしても作品としての強度は持ち得ない。小出ナオキの場合、臆面もなく家族や身近な人たちとの出来事を語りながら、センチメンタリズムに堕ちず、事の本質を見据えるふてぶてしさが、アーティストとしての核をなしているように見える。」(森口まどか 「小出ナオキの現在性」『Maternity Leave』小山登美夫ギャラリー、2012年)

また、小出は滋賀県立陶芸の森で滞在制作の機会を得たこともきっかけに、2009年頃から彫刻の主な素材をFRPからセラミックに変えました。FRPにはない、いわばセラミックという素材特有の”裏切り”を、小出は「まるで、子どもが産まれてくる前の父親に産まれた後の生活が想像できないような、そして、産まれて初めてその意味がようやく理解できる感じと似ています。制作する意味、が少し分かってきたような気がしている。」(小出ナオキ「主題」『Maternity Leave』小山登美夫ギャラリー、2012年)と語ります。小出の作品には、詩情にあふれ、自伝的でありながら、鑑賞者の記憶を本質的に刺激するような魅力をもっています。

1968年愛知県生まれ
1992年東京造形大学造形学部美術学科卒業

増井淑乃

増井淑乃は1976年静岡県焼津市生まれ。静岡県立清水南高校芸術科に進学後、多摩美術大学美術学部芸術学科で東洋美術を研究、現在東京を拠点に活動を行っています。芥川賞作家である磯崎憲一郎のデビュー作『肝心の子供』(第44回文藝賞受賞/ 2007年、河出書房新社主催)の装画となった他、世界中のキュレーター、批評家によって推薦された1975年以降生まれの作家を紹介した書籍『Younger Than Jesus: the Artist Directory』に、片岡真実氏により選出、掲載されています。小山登美夫ギャラリーでは2006年、2008年、2011年、2013年、2016年と5度の個展を行っており、2016年1月には駿府博物館にて個展を開催しました。

1976年 静岡県焼津市生まれ
1999年 多摩美術大学美術学部芸術学科卒業

長井朋子

長井朋子の作品には、森や部屋の背景に、たくさんの動物たちや、女の子、色とりどりの木やキノコなどが、まるで劇場のように配置されています。様々なモチーフが散りばめられた作品はどれも、空想の物語の世界が凝縮したような躍動感とイメージの層が複雑に重なり合う独特の空間性をもっています。絵画に加えて、立体制作や、インスタレーションも行う長井の作品は、多彩なマチエールや筆致、素材が不思議なリズムとなり、まるでひとつの音楽を奏でているかのようです。この旋律を感じる事で、わたしたちはいつの間にか彼女の作品世界の中に入り込んでいるのです。

長井朋子は1982年愛知県生まれ。2006年に愛知県立芸術大学を卒業し、現在は東京にて制作活動を行っています。2008年、東京オペラシティーアートギャラリーProject Nでの個展をはじめ、その後も京都、鹿児島、香港、シンガポールなどで個展を開催してきました。2017年には六本木ヒルズ A/D GALLERYで個展を行い、好評を博しました。2010年の「VOCA展2010 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京)に出展したほか、海外では、ヴェネツィア・ビエンナーレ関連企画展の「Future Pass – From Asia to the World」(Palazzo Mangilli-Valmarana、ヴェネツィア、2011年)や、ソウル、グルノーブル、ベルリンでのグループ展に参加しています。また、東日本大震災の被災地である宮城県七ヶ浜にある遠山保育所(設計:髙橋一平建築事務所。2013年に竣工)の再建に際し、園児のための屋外プールに絵を描くプロジェクトに携わり、NHK Eテレの番組「時々迷々」オープニングに作品を提供するなど、美術館やギャラリーでの作品展示に限らず幅広く活動しています。作品は高橋コレクション(日本)、オルブリヒト・コレクション(ドイツ)、ザブラドウィッチ・コレクション(イギリス)、ジャピゴッツィコレクション(スイス/アメリカ)など国内外に収蔵されています。

岡崎裕子

岡崎裕子は1976年東京都生まれ。株式会社イッセイミヤケにて広報として勤務した後、茨城県笠間市の陶芸家・森田榮一氏に弟子入り。5年の修業期間を経て、2007年に独立。現在は、海と山に囲まれた自然豊かな横須賀に自宅兼陶房を構え制作活動をしています。

大宮エリー

1975年大阪生まれ、東京大学薬学部卒業。広告代理店勤務を経て、日常を綴ったエッセイ集を書いて人気を博す。作家業の傍ら、ラジオのパーソナリティーや、テレビ番組の司会などもこなす。映画を撮ったり、舞台の作演出をしたり、活動はジャンルレスであるが、本人曰く、やっていることはひとつだという。2012年からは、来場者が参加して作品が完成するという特徴を持つ、体験型の個展をはじめる。その個展は物語になっており主人公は来場者それぞれとなる。「立ちはだかるドア」「心の箱」「言えなかったメッセージボトル」など、8つの作品で構成された、「思いを伝えるということ展」(2012–13)では、心がすっきりした、涙が出たという感想が多く、この個展の反響で2013年は、「赤い道」「黄色い道」「砂漠の道」などの道を歩いてもらうことで、生きるとは何かをそれぞれがそれぞれに問いかける個展「生きているということ展」(2013)を発表。また、歩くプラネタリウムという設定で、星をかきわけたり天の川に飛び込んだりする「星空からのメッセージ展」(2013–14)を発表。絵画制作は、2012年に上野にてライブドローイングした作品「お祝いの調べ:直島」がきっかけとなって始まり、いまも続行している。その後、2015年に代官山ヒルサイドテラスにて個展「emotional journey」、2016年には美術館で始めての個展「シンシアリー・ユアーズ—親愛なるあなたの大宮エリーより」を十和田市現代美術館で開催する。十和田では、美術館の以外の商店街にも作品を展開した。2017年4月には、福井の金津創作の森で個展を開催。

佐藤翠

色とりどりの服が掛かったクローゼット、高いヒールの靴が並ぶシューズラック、鮮やかな花々。佐藤翠の絵画は、女の子の憧れが詰まった宝石箱のようです。画面を眺めていると、大胆で素早いタッチがモチーフの輪郭を溶かし、具象性と抽象性が共存しつつ鮮やかな色彩と卓抜な構成が強い魅力を放っていることに気づきます。美術史家・美術評論家の高階秀爾氏も指摘する通り、佐藤の作品は、絵画の魅力、喜びに溢れ、「ほのかな、かすかな官能性の香りがいわば隠し味のように重なって、比類ない豊麗な世界」(高階秀爾『ニッポン・アートの躍動』(講談社)を生み出しています。

佐藤翠は1984年、愛知県生まれ。2008年に名古屋芸術大学絵画科洋画コースを卒業。在学中にはディジョン国立美術大学(フランス)へ交換留学。2010年に東京造形大学大学院造形学部で修士課程を修了しました。現在、平成29年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてフランスにて研修中(-2018)。
作品は、芥川賞受賞作家・中村文則の小説『去年の冬、きみと別れ』(2013年、幻冬舎)の装画や、松永大司の映画『トイレのピエタ』(2015年)の劇中に使われたり、『花椿』(資生堂)では原田マハの短編小説と挿画でコラボレーションをするなど、その活躍の場を広げています。「VOCA展 2013 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」(2013年、上野の森美術館、東京)では大原美術館賞を受賞、作品は同美術館に収蔵されました。2015年には資生堂ギャラリーでのグループ展「絵画を抱きしめて Embracing for Painting -阿部 未奈子・佐藤 翠・流 麻二果展-」に出展。2016年は、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて小山登美夫ギャラリーでの3度目の個展「Secret Garden」を開催した他、「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ」にも参加いたしました。

山本桂輔

山本桂輔は彫刻と絵画の2つの表現方法を横断しながら、制作を行ってきました。2000年代までの作品では、草花やキノコ、妖精のようなモチーフが、有機的な曲線に巻き取られながら、独特の色彩の中にひとつのフォルムとして完結します。その幻想の世界感が極限まで肥大化したのが、2009年の個展「起立」で展示した高さ5mを超える巨大な彫刻でした。作品は生命力すら感じる圧倒的なボリュームと、派手な色彩で人々を魅了しました。以降山本の彫刻は少しずつ変わりはじめます。

2012年、山本は拾った古道具などに部材を加えたり、彫刻を施した作品を、個展「Brown Sculptures」で発表しました。それまで色に対する憧れ、絵画への憧れが強かった彼が、この展示では、比較的小さな木彫だけを展示し、しかも木工用の茶系の着色剤を使って、色を廃しました。かつて別の用途で使われていた道具をなにかに見立てる、あるいは擬人化することは、日本人にとって馴染み深く、ある種のフォークな感覚は山本の新たな展開を感じさせます。作家は自身の作品について、「人間の創作の歴史や衝動に興味があります。それらを意識しながら、彫刻と絵画は相互に関係を持ち、生成されていきます。」と語っています。

彼の制作を語る上で、彫刻との両輪として欠かすことのできない絵画。松井みどり氏は、山本の絵画について「幾何学形と植物のイメー ジを組み合わせることで、装飾的なデザインと象徴的な連想を統合する」と評しています。

山本桂輔は1979年、東京生まれ。2001年に東京造形大学彫刻科を卒業後、同大学研究生として 2003 年まで在籍。現在、神奈川を拠点に制作活動を行っています。小山登美夫ギャラリーでは、6 度の個展を行っており、主なグループ展に「、VOCA 展 2008」(2008 年、上野の森美術館、東京 )、松井みどりキュレーションによる「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」(2009 年、原美術館、以降世界巡回)、「Twist and Shout: Contemporary Art from Japan」(2009年、バンコク芸術文化センター、バンコク)、「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」(2014年国立国際美術館、大阪)などがあります。作品は国立国際美術館などに収蔵されています。

山野千里

山野千里は1977年大阪府生まれ。2005年に京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器修了。現在、京都を拠点に制作活動を行う。
藤田匠平とはスナ・フジタのユニット名(2014年フジタチサトから改名)で、より日常使いの器を発表しています。

横山拓也

横山拓也は1973年神奈川県生まれ、立教大学社会学部卒業。大学時代、陶芸サークルでやきものに出会い、卒業後は多治見市陶磁器意匠研究所を経て、現在は岐阜県多治見市にて作陶しています。東京、横浜、名古屋、ソウルなど各地で個展を多数開催。小山登美夫ギャラリーでは、2度個展を開催しています。