岡崎裕子

個展「草花の器」

©︎Yuko Okazaki

<作品紹介>
岡崎裕子の作品は、おおらかに広がる澄み切った空と健康な大地がそうであるように、私たちの心を清々しく晴れやかな気持ちへと導いてくれるようです。
笠間での修業時代に目にした美しい羽黒トンボからインスピレーションを受け制作された、定番のトンボモチーフのシリーズでは、透き通るように白い爽やかな器の上で、トンボが気持ち良さそうに飛んでいる姿を表現しています。
作家の感動が伝わってくるように、モチーフの描く線は伸びやかでいて凛々しく、とても生き生きとしています。
「使う楽しみ」を大切にしている岡崎の作品は、日々の食事、友人へのおもてなし、ガーデニングなど、何気ない毎日を彩る様々なシーンにおいて自然と用いたくなるような大きさや形のものが揃い、前向きに生活を楽しむきっかけを与えてくれるでしょう。

 

<展覧会について>
本展覧会では、草花をモチーフとし、イッチン技法を用いた作品を発表いたします。
イッチン技法とは、化粧土や泥漿を使い、陶器表面を立体的に装飾する技法です。通常は細かく繊細な印象ですが、あえて荒いタッチを施すことで暖かみのある雰囲気に仕上げています。
「今回の器は、祖父母から受け継いだ古い染付けの器を私が割ってしまった事から始まります。
大事な器は甦りませんが、陶芸家としてなにか新しく息吹を吹き込めないかと思い至り、器に描かれていた花をイッチンで自分の器に施した事がきっかけです。こうして私にとって新たな器がうまれた事で、割れてしまった思い出の器に対する後悔の念は、前向きな感謝の気持ちへと昇華されました。染付けとはおおよそ違った表現となりましたが、私なりの日本の伝統的な器に対する敬意が込められています。この器のシリーズは今回初めて出展致します。」(作家による紹介)。
作家の新しい試みと共に、好評のトンボモチーフの作品も含め、皿、ボウル、カップ、角皿、小鉢、花器、注器など、約150点のうつわを展示いたします。

 

作家プロフィール

岡崎裕子

岡崎裕子は1976年東京都生まれ。株式会社イッセイミヤケにて広報として勤務した後、茨城県笠間市の陶芸家・森田榮一氏に弟子入り。5年の修業期間を経て、2007年に独立。現在は、海と山に囲まれた自然豊かな横須賀に自宅兼陶房を構え制作活動をしています。