染谷悠子

個展

空の王様空をつれてやってきた As the king of the sky has come down taking the sky along 2007 water color, pencil, oil pastel and lithograph ink on Japanese paper mounted on wood panel 120.0 × 272.0 cm ©Yuko Someya

<作品紹介>
染谷悠子は、パネルに和紙を張り、そのやわらかな風合いを生かしながら、繊細な筆致で架空の世界を描きます。登場するモチーフの多くは花や鳥、樹木、動物ですが、その造形は花びらや羽根の1枚1枚まで非常に細かく描き込まれています。
「言葉を綴るように、鉛筆を動かしていく」と作家が語るように、まず鉛筆の淡い輪郭線が画面を作り始めます。細密画のように綿密な描写にも関わらず、絵全体の印象が非常に軽やかなのは、存分にとられた余白とのバランスと、リトインクを使った独特の手法—水彩絵具だけが塗り重ねられるのではなく、版画用のインクも用いて瞬時に彩色していく—による色彩が、透明感に溢れているからでしょう。

<展覧会について>
作家の頭の中には、常にひとつの物語があるようです。2005年の作品『花小鳥』では、6点のタブローが1つの作品として並べられ、幅5メートルを超える画面に、花のついた幹、小鳥達やクモの巣、鳳凰のような鳥や、不思議な動物が、まるで絵巻物のように配されています。
今回展示される大作のペインティングでも、大きく翼を広げた鳥が登場します。色とりどりの羽根は、植物の細胞のようでもあり、或は海底を彩る珊瑚のようにも、飛び散るしぶきの軌跡のようにも見えます。いっぱいに羽根を広げて降臨するその姿は、まるで背後に広がる空そのものを司る神の姿のような厳かさをたたえています。

 

作家プロフィール

染谷悠子

染谷悠子は1980年千葉県生まれ。2006年、東京藝術大学大学院版画専攻修了。2004年町田市立国際版画美術館の全国大学版画展で、収蔵賞/観客賞を受賞し、作品が収蔵されました。主な個展にRichard Heller Gallery(2014年、サンタモニカ、アメリカ)があり、小山登美夫ギャラリーでは、2007年、2010年、2013年、2017年と4度の個展を行っています。

染谷悠子はパネルにキャンバス、そして和紙を張り、そのやわらかな風合いを生かしながら、繊細な筆致と色彩で、花や鳥、樹木、動物がモチーフの架空の世界を描きます。
染谷は「言葉を綴るように、鉛筆を動かしていく」と語り、まず鉛筆の淡い輪郭線が画面を作り始めます。細密画のように綿密な描写にも関わらず、絵全体の印象が非常に軽やかなのは、存分にとられた余白とのバランスと、リトインクを使った独特の手法—水彩絵具だけが塗り重ねられるのではなく、版画用のインクも用いて瞬時に彩色していく—による色彩が、透明感に溢れているからでしょう。それらのモチーフは画面の十分な余白により浮遊感を与えられ、それらが紡ぐ物語、そしてその続きへと、鑑賞者を誘うかのように強い輝きを放っています。また版画の手法で色をつけられ、画面に重ねられた和紙が生み出す独特な色彩と質感も魅力です。
2004年町田市立国際版画美術館、全国大学版画展、収蔵賞/観客賞、2014年「VOCA展 2014 現代美術の展望 -新しい平面の作家たち-」佳作賞受賞。

1980年 千葉県生まれ
2004年 東京造形大学卒業
2006年 東京芸術大学大学院修了